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クマが目撃される前でもドローン出動が可能に?

【国土交通省がクマ対策の緊急飛行について補足説明】

2026年7月28日、国土交通省から、クマ対策でドローンを緊急に飛ばす場合の考え方について、新しい補足説明が発表されました。

今回のポイントは、次の一点です。

その場所でクマが実際に目撃されていなくても、クマが現れる可能性が高く、被害を防ぐために急いで確認する必要がある場合は、緊急のドローン飛行として扱われることがある。

これまで自治体の担当者の中には、

「クマがまだ目撃されていない段階では、緊急飛行として扱えないのではないか」

と判断し、ドローンの出動をためらうケースもあったのではないでしょうか。

今回の補足説明により、クマが目撃される前でも、状況によっては予防的なドローン飛行が認められる可能性があることが、より分かりやすく示されました。

【どのような場合が対象になるのでしょうか】

国土交通省は、次のような例を挙げています。

  • 近隣の自治体でクマが目撃された
  • 大型動物の足跡が発見された

例えば、隣の市町村でクマが目撃され、そのクマが市町村境を越えて移動している可能性がある場合です。

また、住宅地や学校、イベント会場の近くで、大型動物のものと思われる足跡が見つかった場合も考えられます。

このような状況で、

「人が活動する場所へクマが近づいている可能性がある」

「明るくなるまで待っていると、人身被害が起きるおそれがある」

と判断される場合には、実際にクマの姿が確認されていなくても、赤外線ドローンなどを使って周辺を確認できる可能性があります。

【「クマが出てから」ではなく「被害が起きる前に」】

これまでのクマ対策では、目撃情報が入った後に、自治体、警察、猟友会などが現地へ向かい、周辺を確認する方法が一般的でした。

しかし、クマが森林や河川敷に入ってしまった場合や、日没後で周囲が暗い場合には、地上から探すことが難しくなります。

また、職員や猟友会の方が暗い森林へ入ること自体に危険が伴います。

赤外線カメラを搭載したドローンであれば、上空から広い範囲を確認し、暗い場所にいる動物の熱を探すことができます。

そのため、クマがいる可能性のある場所へ人が入る前に、上空から周囲の状況を確認することができます。

今回の国土交通省の説明は、

クマが現れてから対応するだけでなく、クマが現れる可能性が高まった段階で、被害を防ぐために確認することもできる

という考え方を示したものです。

【通常の許可を待たずに飛ばせる場合があります】

ドローンを市街地や夜間に飛ばす場合は、通常、国土交通省への許可や承認が必要です。

しかし、人の命や財産に危険が迫っており、通常の申請をしている時間がない場合には、国や自治体、または自治体から依頼を受けた事業者が、緊急対応としてドローンを飛ばせる制度があります。

これが「航空法第132条の92の特例」と呼ばれるものです。

名称だけを見ると難しく感じますが、簡単に言えば、

災害や事故、クマなどによる危険が迫っているときに、自治体などが人命や財産を守るため、緊急にドローンを使える仕組み

です。

今回、クマがまだ確認されていない場合でも、出没する可能性が高く、急いで確認する必要があれば、この仕組みを使える可能性があることが改めて示されました。

【どのような飛行でも対象になるわけではありません】

注意しなければならないのは、クマ対策であれば、いつでも自由にドローンを飛ばせるわけではないということです。

基本的には、次のような条件が必要です。

自治体などからの依頼があること

民間のドローン事業者が、自分の判断だけで緊急飛行を行える制度ではありません。

自治体などが状況を確認し、人命や財産を守るために必要だと判断したうえで、ドローン事業者へ依頼することが基本となります。

!危険が具体的に迫っていること

単に、「この地域では毎年クマが出る」「念のため定期的に見回りたい」
というだけでは、緊急飛行として扱われない可能性があります。

近隣での目撃情報、足跡、監視カメラの映像、住民からの通報など、クマが近くにいる可能性を示す情報が必要です。

!通常の申請をしている時間がないこと

数週間前から予定されているイベントの警戒や、あらかじめ日程が決まっている調査については、事前に通常の許可を取得しておく必要があります。

一方で、イベント開催直前にクマが目撃された場合や、突然足跡が発見された場合などは、通常の申請を待てないため、緊急飛行の対象となる可能性があります。

【特例でも安全対策は必要です】

緊急飛行の特例は、安全対策を省略してよいという制度ではありません。

例えば、次のような対策が必要になります。

  • 飛行場所に一般の人が入らないようにする
  • ドローンの飛行範囲を必要最小限にする
  • 周辺の道路や建物、人の動きを確認する
  • 警察、消防、猟友会などと情報を共有する
  • ヘリコプターなど有人航空機が来た場合は、すぐに飛行を中止する
  • 操縦者だけでなく、周囲を確認する担当者を配置する

緊急時であっても、現場の安全を確保しながら飛行することが重要です。

【自治体が事前に決めておくべきこと】

実際にクマが出没してから、連絡先や判断方法を決めていては、対応が遅れてしまいます。

そのため、平常時から次の内容を整理しておくことが重要です。

  • どの部署がドローン出動を判断するのか
  • どのような情報があれば出動を検討するのか
  • ドローン事業者へ誰が連絡するのか
  • 現場の立入りを誰が管理するのか
  • 警察や猟友会へ誰が連絡するのか
  • 発見した情報をどのように共有するのか
  • 夜間や休日に誰が対応するのか

特に、休日や夜間は、担当部署への連絡が取れず、出動判断が遅れることがあります。

緊急連絡先や依頼方法を事前に決めておくだけでも、初動対応は大きく変わります。

【SOARRECの赤外線ドローン警戒】

SOARREC株式会社では、赤外線カメラを搭載したドローン「DJI Matrice 4T」を使用し、クマの探索やイベント会場周辺の警戒監視を行っています。

森林、河川敷、藪、暗い場所など、地上から確認しにくい場所を上空から確認し、発見した熱源の位置や移動方向を関係者へ共有することが可能です。

また、クマが発見されなかった場合でも、「少なくとも確認した範囲には、大型動物と思われる熱源が見当たらなかった」という情報を提供できます。

これは、警戒範囲や避難対応を判断するうえでも重要な情報になります。

SOARRECでは、ドローンによる現場対応だけでなく、自治体や施設管理者の皆さまに向けた、緊急連絡体制、出動の判断基準、安全管理方法の整理についてもご相談を承っています。

【クマが出てから考えるのでは間に合いません】

今回の国土交通省の補足説明により、クマが実際に目撃される前でも、出没する可能性が高く、人身被害を防ぐために急いで確認する必要があれば、ドローンによる予防的な警戒飛行が認められる可能性があることが明確になりました。

重要なのは、

クマが出た後に対応方法を考えるのではなく、出没する可能性が高まった段階で、すぐに動ける体制を作っておくこと

です。

「このような場合もドローンを出動させられるのか」

「自治体として、どの段階で出動を判断すればよいのか」

「夜間や休日の連絡体制をどのように作ればよいのか」

といったご相談がございましたら、お問い合わせください。