近年、クマやシカ、イノシシといった野生動物による様々な被害が問題となっています。
岩手ではクマによる死傷者の数が過去最多、毎日県内でのクマ出没のメールが携帯に届きます。
クマだけではなく、シカによる農作物や牧草などの食害も深刻な問題になっています。
そんな中、遠野市でシカ肉を加工・販売する遠野ジビエ(毘沙門商会)の及川様より、取り組みを紹介する動画制作のご依頼を受けました。
綾織の農家のご兄弟が経営する遠野ジビエ(毘沙門商会)は、シカによる食害に悩むお父様を見て何とかしたいと準備を重ね、去年立ち上げました。

打合せで伺った後、実際にシカの被害を確認すべく荒川高原に行き、畜産振興公社様の協力を得てドローン空撮を行いました。
各放牧地にそれぞれ100頭を超える数のシカがいて、牧草を食い荒らす実態がありました。
張り巡らせた有刺鉄線も軽々飛び越えたりくぐったりして、全く意味がありません。




狩猟許可証を持つ遠野ジビエの及川兄弟によると、遠野市だけで年間5千頭を超えるシカが駆除されており、その大半が埋設処分されているとの事。
それでも岩手県内の推定頭数は11万頭以上と言われ、ハンターの高齢化など様々な理由から、数は年々増加傾向にあると言います。
シカ肉をジビエとして資源活用出来れば、頭数調整や地域振興にもつながると、自治体の支援も得て取組みが始まったところです。
シカ肉は鉄分、ビタミンB群を多く含み、高タンパク・低脂肪のヘルシー食材。
仕留めて1時間以内に加工場に持ち込まれ、適切に処理したシカ肉は放射能検査も行い新鮮で安全。
私も頂きましたが、ロース肉は獣臭さもなくレバーのような風味があり、とても美味しいです。


熟成鹿ソーセージは地元上閉伊酒造の酒粕が入り、ジューシーで絶品♪
人間以外にも、ペット用商品の鹿肉ジャーキーはワンちゃんネコちゃんがとても喜んで食べます。
こうした体験を踏まえながら、多くの人に遠野の野生シカの実態とシカ肉の魅力を知っていただければと思い、心を込めて作りました。3分の動画を是非ご覧ください 。
野生動物との共生は、人間が自然について深く知り関わる事で可能になると改めて感じました。
動画は英語版もあります。
遠野ジビエの取り組みが日本はもとより世界に発信されるよう、我々も応援します。
