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ドローン空撮と対価について思うこと

愚痴ります。(笑)

2018年に会社を立ち上げ5年8か月、これまで無事故でドローン空撮と映像制作を数多く行ってきましたが、当時から空撮サービスは既にレッドオーシャンになると言われておりました。

立ち上げの際、いくらで空撮を請負うのか価格設定が難しく全国の相場を基に決めましたが、ここ5年足らずでドローンの性能も格段に上がり、安い価格で安定した映像が撮れる為、極端に安く請け負うまるで実績のない個人や業者が増えてきていて、我々の様な操縦技術はもとより映像美も含めて高いこだわりを持っていても、そんな理解が得られそうにない田舎の業者にとっては関心すら持たれず、仕事として成り立たない状況です。

また、映像プロダクションもMAVIC AIRクラスのドローンを持ち、在京キー局も地方ロケの合間にADが許可も得ずにしれっと飛ばす状況が横行しており、もはやドローン空撮の分野は『手軽に安く飛ばせる便利な道具』の無法地帯になっていると言えます。

それはそれでドローンが広く普及されている証だと思います。
しかし本来、ドローンに関する日本の法律は実際に飛ばすには厳しいものです。
特に人工物から30m以内、目視外飛行の禁止についてはとても現実的ではなく、日本全国での包括許可を取得していなければ飛ばせません。
申請から許可が下りるまで1ヵ月以上かかるような国土交通省の許可・承認方法が、逆に無許可飛行を助長しているという現状もあります。

法律を守って適切に業務を行う空撮業者に仕事が来ない。
ドローン業界全体『正直者が馬鹿を見る』世界だと思います。

我々は安全に関する知識と資格取得、電波利用団体、損害保険など様々なものに相当のお金をかけ、万が一に備えています。
空撮を安く請け負っているその業者、その個人は、こうした部分への知識やそのための備えはしているのでしょうか?

結局こうした備えをしっかりしていても、空撮価格が高ければ仕事は来ません。
ご依頼される方にこうした実態をご理解頂けない事が原因なのですが、どの仕事も同じではないでしょうか。
とても暮らしていけないという価格では業界全体が尻すぼみするだけです。

これはドローン政策にかかわる国土交通省や総務省、経産省にも考えて頂きたい問題です。
国家資格を設けるなら、その国家資格取得者が損をするようなものであってはならない。
こうした立場にいる既存業者が苦しまないような制度を、国は真剣に考えて頂きたいです。

ドローン空撮業も、日本の社会に貢献する企業のひとつなんですから。